ゆれるからアンカーを
kauzak

何もない日が不安なのは
僕の心がゆれているからだ

縛られたい
アンカーが欲しい

ユラユラゆれ続けて
何処までも流れていくから

空の青さにさえゆらいで


昼休みにあてもなく外に出て
住宅街をフラフラと歩いていたら

谷戸の底
忘れ去られたような空き地に出くわして

谷戸の向こう
高台に建つ東電の鉄塔が大きく見えて

空が広すぎて


住宅街の狭間にこんな風景が潜んでいたとは
想像できなかった

不意打ちで出会ったアンカー
立ち止まり空と鉄塔を見ていた


自由詩 ゆれるからアンカーを Copyright kauzak 2010-06-01 23:59:47
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