身代わり
森の猫

さみしくて さみしくて
たまらない

狂おしいこのキモチ
どう 処理していいかわらない

眠れない 身体は熱い

あたしは
強行した
身近なところで

狂ったあたしのココロ

もう いつふれあったか
忘れてしまっている
体温

その体温が恋しくなった
ひと ではなく 体温が

あたしは
明け方 夫の前に
一糸まとわぬ姿でひざまずいた

夫は驚き 欲情した
あたしの くびれた身体を
むさぼる

あたしは・・・
体温だけを感じ
キミの名前を小さくなぞっている

夫はほどなくして 果てた
あたしは イカない
キミじゃないもの
少しカラダが
あたたまった だけ

”ずいぶん 細くなったね”

くびれのできた あたしの
身体をみて、目を細める

”がんで 食べられなかったから”

嘘をつく
ホントはキミに会えない
切なさからだ・・・

”あたし 死んでもいいと
思っていた。父に呼ばれたと。
だから・・・”

寂しさから、涙が出る、
嘘とホントの狭間・・・

”愛しているよ 今も”

あたしを抱きしめる

えっ??!!
ずっと 見放されていると
思ってきたのに・・・

嘘が本音を吐かせた

あたしのカラダは冷たくなり
アタマの中は
くるくる キミのことが
めぐっていた


自由詩 身代わり Copyright 森の猫 2010-06-01 16:27:59
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