親子
小川 葉

 
 
休日の午後
息子と散歩した
飛行機を空に見つけて
あんなに飛んで
どこまで行くんだろう
と息子が言った
西の空を見ては
あそこに夕方みたいなのがあるよ
と僕に教えてくれた
しばらく二人で空に見とれた後
さ、いこか
と息子が不意に言った
不思議なことに
僕は息子を
父さん、と呼びたかった
遠い昔
僕らは親子だった気がしたのだ
 
 


自由詩 親子 Copyright 小川 葉 2010-06-01 03:52:27
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