過不足のない憂鬱
真島正人

お前の体が長く伸びる
影が増したのかと思うが
少し違った

のど元から
違う声が漏れる
口から漏れる声と
交互にささやく

お前が伸びて
私の肌を刺すときに
私は内面からもえぐられている

私は
くぼみに落ちた瓦礫と
友人になろうと
努力をしている

私は
丘の上から
大砲を
打ち続けている

私は
抑圧をされ
程よく絞られた
数滴のジュースだ
汁物だから
摂取しやすいし
健康にも
そこそこいいかもしれない

くぼみのように黒くなった部分に
群がっている
過不足のないレシピ
愛情を充足させる
手本

手形の要らない、
証明書のない
二次醗酵した
ドレスデンではよく売れているミルク

実害は
ほぼないに等しい

いとおしい
いとおしい
いとおしくて狂いそうになる

実弾の実装された
しかし
実害のない
思想

思想から枝が生え
手が生え
足が生え
根も伴い
私の友人はがんじがらめにされた

思想と思考
車輪を伴わない船
槍状の
くぼみの中にさえずられた
罠の一種

明日
実装しよう
レールガンのごとき
小宇宙的な
秘術を

私の
内向が
外向に向かうとき
いくつの目が
私を認識するのか

賭けは
かけられた瞬間に
結実を引き起こし
流行性の
ウィルスとは
それは関係がない

根幹的、
根本的な違い

定位置を
座標して
緩やかに向かう

穴倉より
幾分は良い


自由詩 過不足のない憂鬱 Copyright 真島正人 2010-05-31 23:30:27
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