煙管
杳
消えたのは姿だけ
目に映る姿だけで
あたしのなかには
いまだに存在する
かつてのまぼろし
また倒れそうでも
保たなくては
まだ倒れそうでも
ゆるされない
わざとひどくして
嘘つきのやさしさ
月が見えないのは
雨のせいだと
わらう
自由詩
煙管
Copyright
杳
2010-05-30 01:17:06