どうようをうたっている
紀ノ川つかさ

こんなおとなに
なるはずではなかった

きょうもどうようを
うたっている

こどもたちはためらいなく
じゆうにものをうみだせる

おとなであるおまえはもう
だれかのまねしかできない

だれかのそんなこえがして
ぼくはまいにちうろたえている

きょうもどうようを
うたっている

わがこがてれびひーろーのうたを
うたってくれという

そこにはきせつもやさしさもなく
せいぎとあくがあるだけだ

そんなうたは
うたいたくない

できればぼくがうみだした
うたをきかせたい

それができればそれができれば
ああなぜそれがなぜできなくなったか

きょうもどうようを
うたっている

きょうもどうようを
うたっている


自由詩 どうようをうたっている Copyright 紀ノ川つかさ 2010-05-29 16:32:59
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