無重力
伽茶
思い出のページは破り捨てるつもりだったのに
何気なく捲っては
風化して色褪せた端を眺めてしまう
変わらぬ気持ちはないはずだ
そう
色褪せたこのページのように
記憶も曖昧になった
香りも
左腕の感覚も
声も
仕草も
全て曖昧になって
君を忘れかけてるはずなんだ
でもね
最後のページの裏側が白紙だから
淋しいのか悲しいのか…
よくわからない気持ちになるんだ
空白の時間は充分過ぎるほどあったのに
私はまだその続きが見たくなる
バカだな…
運命的な偶然も
ロマンティックなセリフも
絵に描いたような幸せも
何もかも要らないから
ただ
繋がって居たいと思ってる自分がいるの
求めちゃダメなんだって知ってても
無意識に
そう思ってしまうんだよ
どうかしてるよ…