月まで昇る
山岸美香

その空はいつも、
混じりけのない深い夜の暗闇で

白くて大きい雲を抜ければ
てっぺんのいちばんいちばん高い場所に
小さな黄色く輝く月が見えた。
あれは中々良い色をしてて
出来れば自分のものにしたいと思う

頑張って自転車を漕げば、のぼれるはず
そう信じて、いつもせっせと空を駆ける。

届かないんだなあ

届かせたいんだなあ


そうやって月まで昇りたいんです、
自分のものにしたいんです、いつも


自由詩 月まで昇る Copyright 山岸美香 2010-05-26 19:34:57
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