希望
逆島夢子

世界一高い飛び込み台の上に腰掛けて

生きとし生ける人々を想って泣き続けた

水分と塩分がすぐ足りなくなったので

蛇口から海水をコップに注ぎ飲み続けた

僕は宇宙一大きい桶を用意して、自分の涙を貯めた

涙が海になったころ、僕は腰を上げ、月に向かって飛び込み
そして落ちた

涙という悲しみの中で溺れるなら本望だ

何万回だって死んでやる
そして何万回でも生き返って
泣いてやる

そう思って私はこめかみに銃口を突きつけた
微笑をたたえた金属がヒヤリとした

そういう空想ばかりに浸っている

少女の夢をみた


自由詩 希望 Copyright 逆島夢子 2010-05-25 21:41:55
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