淡い葦
umineko
あなたの声が聞きたい、と
私は願う
空は
雨をしのいで抜ける青
会話している
あいだ
私はからっぽ
あなたに
あなたにとどくかどうか
私は次のことばを選ぶ
あなたが
退屈しないよう
そのあと
抱き寄せられたり
服を解いたり
その無音は心地よい
だけど ね
抱き合うたびに
私の中の
何かが
薄れてしまうこと
淡い
さみしさとか報いとか
意味を成さなくなっていく
形にならない
声を潜めて
わたしは
草木になっていく
ねえ
さみしい、って
どんな気持ちだったっけ
もう長いこと
ここにいるので
当たり前になってきた
.