乱太郎


わたしは
あなたの音楽でいたい
あなたのくちびるがそっと開いて
嬉しそうに口ずさむ
空に向かって呼ぶように

わたしは
あなたの水でいたい
奇跡の泉にはなれないが
乾いた心を潤したい
清んだ水のままで

わたしは
あなたの詩でありたい
嘘のない言葉で
悲しませない言葉で
あなたが楽しそうに頁をめくるように


わたしは海辺の白い砂
肉体を持たない
ただの一握り

あなたはこれから
あの広い海に出て遥かな地平線へ泳ぐだろう

もし
荒波に揉まれて
戻されしまった時には
あなたを
月明かりの下そっと抱き温める

砂のままだとしても


自由詩Copyright 乱太郎 2010-05-24 14:50:12
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