草続き
山内緋呂子

ほんとにあなたに会いたくて
阿佐ヶ谷とアムステルダムが 草続きだったら
走って行きたい と思います

足をとられるのは
たんぽぽのつるではなく
カマキリの白い糸で
血が流れると
あなたが 怖がらないように
足を吸い続けます

きっと石を投げられるけど
白い石は ポケットにいれて
貝殻は 放ります

小箱の幅
「みどりいろ」の発音
別珍のスカート

私は何も変わっていないので
困る、とおっしゃるなら
ただいまから 粉末になります

これで行ける、と思いましたが
気が変わり 土へ戻り
二輪草になります


自由詩 草続き Copyright 山内緋呂子 2003-10-07 22:56:11
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