お母さんの手のぬくもりを
桜 歩美

お母さんの手のぬくもりを

知らない私は

今お母さん



お母さんの手ってあったかいのかな

お母さんの手って柔らかいのかな



ときどき小学校の教科書に

お母さんの手のぬくもりはあったかいって

出てくるけれど



そんな文章を読んでも

お母さんってあったかいって

思わなかった



でもお母さんになった私は

その文章を思い出して

君の手を握っているよ



君にはお母さんの手はあったかいなって

お母さんの手は柔らかいなって

思ってもらいたい



大人になって

お母さんのぬくもりを

思い出せるようであってほしい



私はお母さんの顔を思い出せば

嫌な気持ちにしかならないけれど



君にはお母さんを思い出せば

辛いことも乗り越えられる存在で



私がここに在るならいいなと

思って

生きています



ときに弱音を吐く

本当に頼りにならないお母さんであっても

君にぬくもりを与えられたら

それくらいは私にも出来るだろうって

そう思いながら



もうすぐ私と手をつなぐことも

なくなっていくであろう君をみつめながら

生きています



君にありがとう

私はお母さんになって

お母さんってこんなに大切な存在なんだと

ようやくわかりました

そう

お母さんっていう存在のありがたさを

教えてくれた君は

素晴らしい



ありがとう君へ



自由詩 お母さんの手のぬくもりを Copyright 桜 歩美 2010-05-20 07:58:09
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