丘の上に立って ーちへいへ2ー
……とある蛙
人生なんて冗談でしかないって
お偉い先生が言っている。
そんなことは地平線まで見える丘に立ちすくんでいる下々の者である僕らにはとんと実感がありません。
大きく言えば 人生って 今生きていることなんだなんて思っているけど、泥棒たちは僕らの寝ている間に一生懸命 仕事しているし、お偉いさんたちは僕らの財布から親にもらったお小遣いを掠め盗ろうといろいろ美味しいことを言っているし、その横できれいな女の子たちはかわいいパンツを見せている。
僕はそんなにお金は持っていないのだけれども宵越しの金を持っているだけで軽蔑の目を投げかけられちまいます。
こんなこと気にしては せっかく晴れ渡り綺麗に見える地平線が そのうち逃げてしまうような気がするので、仕方ないので泥棒さんを殺して、お偉い先生の口にセメダインを流し込み、かわいい女の子のスカートをたくしあげてチューリップのつぼみにしてあげたのです。
でも
もう地平線は真っ赤な夕日で気が狂いそうなくらい綺麗になっていたのでした。
そして すぐ真っ暗になってしまい僕はその場で立ちすくんだのです。
また、翌朝から同じ事が繰り返されるのかと思って。