アンビバレンス
小川麻由美

庭に出る
土蔵に這う蔦
蔦に絡まる男
死をまとった男が動き
辺りに美を放つ

扉を開く
路上に咲く貴婦人
貴婦人の厚化粧
紅が滴り落ち
鳩と同化する

一本の直線
石灰で描かれた
過剰な直線
直線は問いかける
存在するのかと

石灰の物質感
風に舞い宙へ


自由詩 アンビバレンス Copyright 小川麻由美 2010-05-17 17:37:36
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