この体で
テルテル坊主

奇天烈な電波が飛び交う
騒音にまみれた街で
正常に機能する体を使って
私は生きています。

本当に欲しい物なんて
分かりません
でも語らせてください

最後は
海に近い一軒家の二階
窓際のベッドで
さざ波の音に身を聞きながら
今までこき使ってボロ雑巾の様になった
心臓を始め、様々な臓器に
「ごめんなぁ、ありがとう」
と感謝とお詫びを述べながら
夕日が地平線の向こうへ沈んでいくと同時に
呼吸をするのを辞めたい

そして心臓に今まで何回鼓動を打ったか?
鼓動が速くなったのはどんな時か?
あの世で酒を酌み交わしながら
笑っていたい

そのために
この奇天烈な電波が走る
騒音にまみれた街で
自分自身の体で踏ん張って
生きてやる


自由詩 この体で Copyright テルテル坊主 2010-05-15 05:50:56
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