まめごはん
冬野 凪

今日のお昼は今年初のまめごはんを食べた
新婚ほやほや妻の手作りである
はっきり言って自慢である
社内のみんなに自慢したいまめごはんである
俄然鼻息荒くなるまめごはんである
窓際族であるが自慢のまめごはんである

いびつな球体のおまめさんをおはしでつまんで
同期で出世街道まっしぐらの慎吾くんにい〜じゃろい〜じゃろまめごはんじゃ
と顔におまめさんを近付ける
慎吾くんは別にそれがどうしたとつんってしてるがぼくは知っている
ほんまはうらやましいんじゃ
慎吾くんのこと可愛いそうになって
ティッシュペーパーの上にまめごはんを二口分くらいのせてあげた
慎吾くんはそっとまめを遺骨を拾うかのように丁寧につまんで寄せている
そういえば慎吾くんはグリーンピースが嫌いだったことを思い出した

おまめさんは少し寂しそうだった


自由詩 まめごはん Copyright 冬野 凪 2010-05-13 23:07:00
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