クリームシチュー
朧月

いろんなことが 
ぐちゃぐちゃしすぎているから
もう全部 おなべに入れてシチューを作る

真っ白な クリームシチューを作る
いつもの手順で

気持ち抑えて 切るしかない野菜を
ひと呼吸して ふうわりとつまんで
とんとん とんとん と切る

くるくる皮をむく
雑念も混ぜながら
ひとつ ひとつ
手に取り 深く考えないといいつつ
かなり考えて

全部切れても まだ考えてるときは
もういいのに 混ぜている
なにかをふっきれるまで

部屋があたたまるほど
それに気付かないほど
おなべを見つめてる
私はどこまでゆくのだろう

できあがったシチューは多くて食べきれないから
あなたの元へと届けることにします
想いまで一緒に包んで

向かい合わせに座るその頃には
あなたが言った言葉にもきっと
なにかが言える気がする



自由詩 クリームシチュー Copyright 朧月 2010-05-13 23:06:41
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