淋しさのそばで
ベンジャミン

何かを言いかけて
何かのままにしてしまう

そんなところに
きっと淋しさはあるのだと思う

そんな淋しさのそばで
やっぱり何かを言いかけている
そんな自分がいることを

ふと 自覚するとき

僕はやっぱりひとりでいようと思う
淋しさのそばにはたぶん届かない
いまの自分には聞き取れない声が
僕を呼び続けてくれている

ふと そんな気がする

淋しさのそばでたたずんでいる僕は
きっと淋しさに憧れているだけで
そんな自分を可哀相にすることで
少しばかりの不幸を嘆く許しを求めている

ふと 久しぶりの涙がきれいで

たとえば懐かしい友の思い出や
小さい頃の無邪気な自分を浮かべて
冬でも暖かい布団が嬉しく感じられた頃を
ぜんぶ抱きしめながら

そんな淋しさのそばで
そんな淋しさと一緒に

今日も眠ろう

何か楽しい夢でも見れたらいいな
なんて思うと

また涙になってしまいそうだけれど


自由詩 淋しさのそばで Copyright ベンジャミン 2010-05-12 17:03:34
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