木陰の花
服部 剛
一輪の花を愛でるのは、いいことだ。
五月の風に身を揺らし
花はハミング、するだろう。
一輪の花に寄りかかりすぎては、いけない。
細い緑の茎が儚くも
折れてしまうことの、ないように。
私は大きな樹木に、なれるだろうか・・・
君という小さな花が、憩えるような
木陰を地面に広げようと
幹の表皮に隠れた顔で
じっと黙り、唇を噛み
無数の根を、土の深くに張り巡らせよ・・・!
五月の風に若葉等は囁いて
樹木はハミング、するだろう
足元の木陰の花も身を揺らし
ふたりはハミング、するだろう
自由詩
木陰の花
Copyright
服部 剛
2010-05-12 07:05:23
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