花のうつろい
高梁サトル


雨が降っているの
こころの奥深くで
あの夜のような朝からずっと
それでも空は晴れているから
傘もさせずにびしょ濡れのまま
けれどあなには見えない


魔法のような
私を支える声
耳にする度に
花も咲かせず
土にも還れず
一体何の為に
在るというの

冷たい指先が
温かい季節を
拒んでいるの
我侭を許す瞳
責めもせずに
もう笑うのに
ただ疲れたの


何も残せない子宮を抱えて歩く
私があなたに触れるとき
どんな残酷なことを考えているか知ってる
世界なんて滅んでしまえばいいのにって
そうすれば私たち2人きりよ「愛してる」


(嘘)


さようなら
花はうつろうものだって
誰もが認める事実を
信じて


自由詩 花のうつろい Copyright 高梁サトル 2010-05-11 23:05:36
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