フリ
新守山ダダマ

フラれたい
もう一度あの娘にフラれたい
いや何度でもフラれたい フラれていたい
フリ回されていたい
フラれた時のあの悲しみが忘れられない
あの時ほど愛が愛らしく感じられたことはない
あの愛がたまらない あの切なさこそ全てだ
だからまた フラれたい
まだ フラれたりない
もうあの娘にしかフラれたくない
あの娘は偉大だ
あの娘ほど切なく あの娘ほど悲しく
あの娘ほど理不尽で
だけどあの娘ほどこの世の理屈など木っ端微塵にしてくれる
フリ方をする人はいない

フラれてもフラれても あの娘の残像がつきまとう
この残像を フれない俺
フリ回したいけど フリたくない俺
生きることはフラれることか フることか
そんな二者択一が頭をよぎった 不覚


自由詩 フリ Copyright 新守山ダダマ 2010-05-11 01:09:16
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