押し花
あぐり




(この花は棘があります) 闇雲に鼓膜をMichaelで埋め立てていく


紫と呼ばれる花の色さえも 赤い絵の具で描こうとしてた


思い出があるとしたならその中で 笑っていたのはわたしじゃないです


赦せないことなどないとそれだけを 教えてくれた夏にさよなら


思い出すことの全てを塗り潰し それでも右目で捜した微熱


夕焼けを見馴れた奥が痛むのは 咲こうと伸びる種のせいです。


この町に今日もアザミが咲いたから 熟れた胸だけ抱いて歩こう






短歌 押し花 Copyright あぐり 2010-05-09 13:48:25
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