食ひ物と母
非在の虹

老いたれば母は苺に喰ひついて
   
       赤き果汁をだらだらとこぼす。




とんかつもたまに食ひたし施設なれば

       母のきもちはわかれども黙る。




五月とは母想ふ月はつ鰹を
 
       われは頬ばるこの母の肉。


短歌 食ひ物と母 Copyright 非在の虹 2010-05-08 23:15:24
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