アトラクション
瀬崎 虎彦

静かな夜の水面を
あてもなく滑ってゆくヒカリ
道はつねに複数あり
悲しみはいつも一つとは限らない

紙の上を走る深夜の孤独
どこへもたどり着かないはずはない
ただ今一筋の光を見れば
もう少し幸せに生きられるだろうか

重力が強くなっている
引き合う力をアトラクションと呼び換えて
もしこの夜に誰かが僕を見つけ出したら

何を伝えればいい?
僕を見つけてくれたきみに
何を伝えればいい


自由詩 アトラクション Copyright 瀬崎 虎彦 2010-05-07 21:02:41
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