蛙の復習
……とある蛙
朝、空を見て
なったばかりの蛙は思う!
高くて広い。
ジャンプしても届かない。
空
何が空の上澄みなのか?
知りもしないでジャンプすることをあきらめた,
空の高みをあきらめて
下ばかり見ていた蛙は
昔、空を見ていたことを思い出す。
また、ジャンプをしなければ っと!
ジャンプしても届かない。
なにが空を覆っているのか?
知ろうともしないでジャンプをあきらめた。
空の高みをあきらめて
虫ばかり待ち伏せていた蛙は
昔、空にあこがれていたことを思い出す。
また、ジャンプしなければ っと!
ジャンプしようにも腹が重くてジャンプできない。
ジャンプしようにも脚と腹が地面に着いたままでジャンプ出来ない。
蛙は何事もなかったように
ズリズリずりずり歩いてゆく、
ズリズリずりずり歩いてゆく
自分が安全だと信じている
湿った暗い草むらに
それから蛙は見ることもない
空に高みがあることも
そこに空があることも
自分がオタマジャクシだったことも
湿った暗い草むらが人間どもに壊されて
やっと蛙は思い出す。
空の高みに向かってジャンプしなければ
空の何かを知らなければ っと