49番目のひと
恋月 ぴの

エスカレーターに乗ったらAKB48の特大ポスターだらけ
メンバーそれぞれがアイドルらしさ決めている
化粧品でもと立ち寄っただけなのに

ちょっとびっくしだよね

私かわいいでしょって屈託の無い笑顔まぶしいよ
やっぱ同じ女として嫉妬しちゃうし
どの子もみんな同じ顔に見えるんだけど、そこが良いんだよね

同じようにキレイで
同じように可愛くて
飛びぬけた才能なんて必要なくて

ほんのわずかな個性の違いにオンリーワン自分だけの彼女を見いだせれば
天国への階段ならぬエスカレーターで8階まで

AKB48劇場の立ち見エリア設定とかの客席で声を枯らし
生きててよかったとか感動してるのかも知れなくて

私があの子たちの頃って何してたんだろう
たまには勉強してた記憶あるけど
彼らのように夢中になれることあったのだろうか

あれこれと化粧品みつくろってはみたものの
欲しいなって思える出逢いには恵まれず
ドンキってどうよだなんて買う気満々肩透かしで
手を振る笑顔に見送られながらエスカレーターに乗った

中央通りに出れば季節外れの冷たい雨降っていて
街かどに貼り出された渡り廊下走り隊のポスター脇では

明日の自分を夢見る少女がひとり傘もささず
メイドさんのかっこしてお店のフライヤーなんか配っていた





自由詩 49番目のひと Copyright 恋月 ぴの 2010-05-02 20:46:09縦
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