時運
蒲生万寿

静かに座っていると

窓から心地よい風が入り

部屋の隅々を通り抜けて行く

日は部屋に満ちたと思えば

陰に染めたり

その変化は絶えず移り行く

耳に届くは

夏ほととぎす

醒めた音に季節は進み行く

この私を中においての楽しみ

とどまるところ無く

方向を持たず

共に歩む喜び

一つである事が千でも万でもあり

また千でも万でもある事が一つでもある

その時その時に在るものが

共に溢れ出す事を楽しみにし、喜びにする

深い感謝はそれぞれの裡に向かって施せ

ここに居合わせた事の幸いは

どれこれも一歩たりとも

時を得ずして先へと進めぬ道理なり

それ故に尊いものばかり



自由詩 時運 Copyright 蒲生万寿 2010-04-30 16:26:44
notebook Home