『生きる』
東雲 李葉
ペンを握り使い古した言葉を
並べ立てている今この時
浪費している空気や水や食べ物への
謝罪の要求はすべて終わった後にしてくれ
やり残していることなんて
実は思っていたより無い
血の巡りを吐き出さないかぎり
いつまでもこのままで
正反対だと思った終わりは
考えていたよりもっと身近で
数字であふれる紙面に
自分が載る日も遠くない
干枯らびる前に潤いを保って倒れたい
腐りにくく燃えにくいが
どうか上手く処理してくれ
「くたばっちまえ」と「ありがとう」を
不器用なりに混ぜ捏ねてみるから
焼き上がったらそっと切り分け召し上がれ
折れたペンを突き刺して
ロウソクみたいに
墓標みたいに