酸欠な魚
緋月 衣瑠香

言葉が喉につまる
いずれ酸素濃度が薄くなり、窒息

夜に溺れる魚
月明かりに照らされて踊る舞いは
小さいながら最大のS.O.S.

その口から漏れるのは
儚く消えていく泡沫
破裂する寸前に聞こえるのは
どうしようもない自己嫌悪

舞台で舞う魚は
静寂という客を正面に
星になる


自由詩 酸欠な魚 Copyright 緋月 衣瑠香 2010-04-25 23:53:14
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