生命
桜 歩美

たとえちっちゃな金魚だけれど
私の心を支えてくれる
死んでしまいたいと思うときも
何年も私と一緒に過ごしてくれた金魚が
勢いよく泳いでくれるのを見ていると
この子たちをちゃんと私はお世話できたんだから
この子たちはこんなに元気に生きているんだからって
たとえちっちゃな金魚でも生きてるってすごいなって
教えてくれる

そんな金魚も私のうっかり飼育のせいで
瀕死になりかけたこの一週間
5年以上一緒にいた和金は
それはもう20センチにもなっていて
それなのにうっかりミスで瀕死になってしまったことが
悲しくて悲しくて
ここ数日毎日毎日
一生けん命治療した

お薬入れて塩入れて
しばらく様子を見ていても
底に沈んでしまって動かない
口だけパクパク。。。

「ごめんね。大事に今まで育ててきたのに。」
涙流れた
昨日最後と思ってきれいな水に換えてあげた
そして今朝

勢いよく泳いでいる大きな和金たち
嬉しかった
私の思いにこたえてくれるかのように
優雅に泳いでくれていた

生命の強さを
この金魚に教わった
命は簡単には終わらないし
瀕死になっても生きようと頑張れば
また頑張れるんだって

寿命があとどれくらいかわからないけど
もう少し一緒に毎日を過ごそうね


自由詩 生命 Copyright 桜 歩美 2010-04-22 22:27:56
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