
せいぎちょうをつくったぼくは
せいぎのめんばーをそこにしるした
いちばんはぼくだ
しゅうぞう、はやと、そうた、たくみ、ぜんいんでごにんだ
三十年まえのジャイアンが歌謡ショーをひらきそうな公園に秘密基地をつくった
八百屋さんから盗んだ段ボールでつくった基地だ
日曜日お父さんを基地に連れていってあげた
お父さんは
宇宙人のともだちとつくったのか、と冗談を言ったのだが
ぼくはひどく傷ついて泣いてしまった
せいぎのめんばーはともだちだ
ぼくがりーだーでおれたちともだちだ
うちゅうじんはおれたちのてきだ
大人になって蹉跌の日々の続いていたあるとき
せいぎちょうを久しぶりに見つけた
それから何年か後ぼくはそれを詩のようなものにした
その詩には何人か的を得た批判があった
ぼくもこれでいいとは思っていない
ただぼくはいまも
ふざけていないし、しんけんだし、わすれないし、こわいものしらずだし、おもいついたことやわかったことをすぐいうし、
そうやって蹉跌の日々をあのころと同じ思いで
ぼくの王国をつくろうと生きている
その王国には、しゅうぞう、はやと、そうた、たくみ、はいないが
四十三人の仲間がいる