煙がどろりと流れる
banjo

眩しい光でエキストラたちが焦げて消える

ムービースターが笑い転げてマシンガンでそれぞれの故郷を殴ってまわる

ここへ

俺は遠くから帰ってきたばかり

受験勉強をするために

この旅で

俺は十分な想像力を鍛えただろうか

想像力がなければ

世界なんざただのでかい檻だ

そして檻の鉄柵のすきまを俺は睨む

すきまが優しく俺を招いているが、それは演技で、すきまは鉄柵の仲間だ

俺の敵だ

だから

じっとすきまを睨む

煙をどろりと流すために


自由詩 煙がどろりと流れる Copyright banjo 2010-04-19 17:17:44
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