高所嗜好
夜恋
高いところが好き、
ふわっと、吸い込まれそうな地面と
緊張で直立すらも、頼りなく感じて
力の入った足が飛びそうになる
本当のところは、高いところが怖い
落ちたら死ぬってわかってるから
嫌でも、しぬって想像してしまう
足場がいつの間にか
無くなるんじゃないかと想像する
怖くてたまらないのに
そこにいるのは、
生きてる実感がほしいから
死が怖いものだと忘れないため
本当に死にたくなった時、
実感のない死を感じたくないから
恐怖が私を離さないように
私は高いところが好きでいる
自由詩
高所嗜好
Copyright
夜恋
2010-04-19 02:13:03