天秤
夏川ゆう

天秤が上下に揺れる様子見て火星の重さ勝手に測る

SFの小説読んで夜空見る広い宇宙は嘘の塊

苦しみを和らげようとする笑顔恋に仕事に拘束される

欲しかった望遠鏡を手に入れて覗けば見える前世の景色

久々に冷凍みかん食べ尽くす夏待ち侘びる氷のぼやき

麦藁の帽子を被り散歩する古き良き時代感じるアンテナ

電話にて孫と会話をする妻が子供に戻る秘密の時間

太陽のことは無視して夕闇がカーテンとなり闇を愛する

お金では買えないものがあるという人の心は空より高い

電話すら鳴らない暇な日曜日お菓子の味が忘れられない


短歌 天秤 Copyright 夏川ゆう 2010-04-16 15:55:05
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