耕耘機
シリ・カゲル

カスタードの耕耘機が紫の戦場を掘り起こしていく
哀れな鉄兜に包まれた頭蓋骨を軋ませながら

ガチャ目の夜盗が畝の中から拾い上げるチョコレートは
蝕の下で飲む麦酒よりももっとほろ苦いのに
頭上のオーロラに飽きた孤児たちにみるみる奪われて
夜盗の頭陀袋にはポークカレーの材料しか残らない

カラメルの耕耘機が地雷を踏みつけるたびに
雲雀の羽がひらり、ひらりと剥がれていく
残された白煙の下に角砂糖は芽吹いていく


自由詩 耕耘機 Copyright シリ・カゲル 2010-04-13 22:34:51
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