MISSILE-100714
1486 106

青空も輝く真夏のある日
ヒップホップユニットの野外コンサートに来ていた
アコースティックギターを階段から落としたとか
天然ボケなボーカルのトークに
辺りは笑いで溢れていたはずなのに

北の空から極太の旅客機みたいなものが急降下していくのが見えた
これはもしかしたらと思ったその直後
遠くのビル街に墜落して巨大な爆炎を上げていた
会場は一気に悲鳴に包まれた
携帯電話でニュースを確認しようと思ったら
南の空にも東の空にも
無数の旅客機みたいなものが墜落していくのが見えた
携帯の画面が映し出したニュースの見出しは
「西の国がミサイル攻撃を開始」
5発目のミサイルは結構至近距離に落ちたから
このまま死んじゃうかもしれないと思って走るのを止めた



あれからどれくらい時間が過ぎたのか
空は一面真っ赤に染まりあちこちで炎が燃えている
車や鉄道は使用しないようにという放送があったから
どこへ行くでもなくさまよい歩いている
生きる気力をすっかり失った人波に紛れ
僕はいつの間にか両親とはぐれていた


自由詩 MISSILE-100714 Copyright 1486 106 2010-04-13 07:19:02
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