かすかに
霜天

色付いた葉が落ちる音、が
聞こえるような
そんな
ある日
静けさは、遠く
連続している朝は
同じように連鎖していた

ありふれている

一杯のコーヒーを
少しだけ苦くした
新聞の活字を
読むふりをして読んでいないのを
眠気のせいにしながら
理解する
今日も
誰かと誰かが銃口を向け合う
そんな世界だ


銃口から世界を見たとして
今日の静けさは見えるだろうか
目を閉じて
葉の落ちる音を、見て
耳をふさいで
銃口の先にもあるはずの
明日を、聞いている


静けさに
かすかに
葉の落ちる音が混じる
活字の向こうで
世界がゆらり、揺れた
目を閉じて、耳をふさいで
とりあえず口に含んだコーヒーの
苦味がやけに
強い


自由詩 かすかに Copyright 霜天 2004-10-04 01:58:40
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