男の背中 
服部 剛

長い間一人で頭を抱え込み 
開けなかった扉を 
無心で抉じ開け 
小さい一歩を、踏み出したら 

日々一緒に働く仲間達や 
苦手だった上司まで 
不思議なほどに歓んで 
幾人も僕に、声をかけた。 

心の何処かで 
僕を気にかけていた先輩も 
嬉しそうに、肩を叩いた  

「がんばってるな」 

「はい・・・亀の歩みの一歩です・・・」 

「小さい一歩が大きい一歩に、なるからな」 

先輩は勇ましい背中だけを 
後輩に見せて 
次の現場へ、歩いていった。 








自由詩 男の背中  Copyright 服部 剛 2010-04-09 15:48:47
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