Choco late
愛心

そう、あれは事故だった
事故以外の何物でもなかった

飲み慣れないアルコールの鼻につく匂いと
知らない唾液の感触
吐き出したいくらいの口の中の違和感

ありえないくらい気持ち悪いんだけど。

そう言ったら
彼女は「慣れたらよくなんの」なんて笑って
目の前で、あたしと事故起こした本人にキスした

彼女が横目でにやっと笑う

うん、別に羨ましくない。

まだ三分の一ほど残ったグラスを彼女の方に寄せて
ポケットから
銀紙に包まれた板チョコを取り出して
舐めるように食らいついた

纏わりつくように広がる甘さ
咥内の整理と消臭ならぬ消触

「ガキ、もー十代も終わんのに」って
あたしの押しつけたグラスを空にして
彼女が含んだ笑みで嘲笑った

いいんだよあたしは
まだチョコが似合うガキでいいんだよ

チョコ美味いし
それにいくらそう云うのが遅かったとしても
いつかはできるようになっちゃうし

結局はみぃんな年寄りになっちゃうんだから

スレてる?あたしが?はは。
ただ、ビビってるだけかもね。

チョコレートをねぶり、あたしは笑った

大人になる一歩手前
もう、眠いわ


自由詩 Choco late Copyright 愛心 2010-04-07 19:59:56
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