ナウマン象の尻
八男(はちおとこ)

舐めんじゃねえよと言っていた不良がいたっけ
その不良のほっぺを
ぺろぺろ舐めたらどうなるだろうと
そんなことは机上の空論かもしれないが
高校時代に夜な夜な考えたものだ

考える人というブロンズ像の
サラリーマンのようなその髪を
ぺろぺろ舐めたらさすがに立ちあがって逃げ出すだろうと
そしてまた 夜な夜な考えるであろうと

角度を誇る
座禅している高僧も
おでこを舐めていたら
妄想にかきたてられなくても
ちんぽは立ちあがって逃げ出すだろうと

そうしてちんぽは大悟するもの

鳥も 肌も 枕も 春も
夢も 紅葉も 壺も オオサンショウウオも
舐められれば 皆 立ちあがって 逃げ出すもの

それは真理 
誰もダルマに逆らえない


ただ ただ
ナウマン象の尻だけは

イカに舐めても
舌が 床擦れするほどに

舐めちぎっても
ナウマン象の尻だけは!

余裕の不動  不動の余裕で
あたり 睨み散らして

舐めても舐めても
屁もこかず

ただ ただ 
いぶし銀の体温と 体臭だけを醸し出し

雪のかなたに 消えて行く














自由詩 ナウマン象の尻 Copyright 八男(はちおとこ) 2010-04-06 21:22:36
notebook Home