? ためらう水紋
しぐれる春
名残りの花に
しずくしたたり
風もよう 波もよう
光さすらひ 想いまよひ
水紋 水紋 水紋 水紋 …
繰りかえし くりかえし
もどるも ゆくも
あたたかなはるのなかで
? いつかのティータイム
珊瑚礁の光のかなた
陽炎のなかの午後
シャム猫の手足の
白いテーブルに
白い椅子
かぐわしい匂に酔ひ
甘く温かい流れが
身体の奥に届いて
わたしはほっと
息をつく
透明なあなたの
ピアノのそよぎが
耳に触れるのは
約束された
「いつか…」
? 光の指
水の花が 青空に咲き
あなたの波紋に ほころんだ
時は優しさに洗われて
思い出を柔らかに染める
遠い島に遺してきた
憧れが呼びかけるが
昨日の風は
哀しみの迷路に
とまどうばかり
春は微笑みを 地平に奏で
野にも花畑にも 光の指が舞う
鳥よ
あたたかな季節に包まれて
君はまっすぐに飛びなさい
若い命が導く
明日の窓の
彼方に