ICARUS,FLYMETOTHEMOON
本木はじめ

イカロスときみに呼ばれた五月から芽吹きだしてる背中のつばさ


滑走路駆けるあなたを追い駆けて追い駆けられて閉じてゆく恋


鋼鉄の翼たたまず夜を待ちどこへ飛び立つ思春期の冬


無知の知や飛行機そらへ飛んでゆくさよなら左翼さよなら右翼


ねぇイカロス飛んでみせてよもう一度空の深さを取り戻すため


いろとりどりの空が溶け合う彼岸まで紙飛行機に乗っていこうか


異国にて架空の兄が今晩も架空のわたしを探す十月


羽根ばかり集めて部屋を飛ばそうと熱狂している宗教なきみ


超巨大ジェットエンジン部屋にあり気づかぬ父や母の青春


Flymetothemoonを聴きながらねむりに墜ちるイカロスのごと





短歌 ICARUS,FLYMETOTHEMOON Copyright 本木はじめ 2004-10-03 19:10:31
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