童話(おやすみなさい)
たもつ

 
 
桜の花びらに見えましたが
それはお墓でした
とても小さな墓石でした
とても小さな人が
入っているのだと思いました
ところどころ緑に苔むして
たしかにそれでも
桜の花びらに見えたのです
おやすみなさい
もう眠っている人に言うのは
初めてのことでした
 
 


自由詩 童話(おやすみなさい) Copyright たもつ 2010-04-05 20:41:42
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