四月三日
依
あんなにも暗い向こう側から
やがて笑うだろう君は来たのだ
やふぁやふぁと滑る肌に
神様のお使いみたいなすました顔で
僕たちのおどけた顔を眺めて
バレエダンサーの様な優美な手つき
まだしわしわの小さい手は
もうこの世界の広さを計りはじめてる
受け入れる覚悟はあるのね?
そして僕達は命のルールをおさらいする
言葉が創造されていく過程を目の当たりにし
軋む骨と筋肉の伸びやかなことを
泣いて笑うことの幸福を
生きるということのバランスを
自分が生まれてきたことに
意味を持たせるのは自分だということを
自然の摂理を
根源を
葉は芽吹き
凪の頃には
花が咲く
君が生まれた四月三日
僕らの幸せが
またひとつ
増える