無題
さち

目が覚めたら
隣の布団は空だった
一階の天井と二階の畳
布団と枕
の むこうから
聴こえてる今日
ああ
私がいなくても
今日は勝手に始まっている
このまますうっと消えてしまったら
楽なんだろうなぁと思うけど
とりあえずトイレに行きたいし
それは
私を晒すことで
寝坊したと
改めて確認させられることだし
まずいことにお腹もすいてて
いつも見るテレビの始まる時間で
ああ でもそれは
あまりに図々しいんじゃないのか
考えている間にも
事態は悪化の一途

私 ヤドカリだったらよかった


自由詩 無題 Copyright さち 2004-10-03 10:00:54
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