あをいそらのもと
こしごえ

お風呂につかってとけない私がいる
何はともあれ
すべては静止するまで
花もここに咲いている
ひっそりと

いつだったか
この日が来るのを知っていたような気がする
まぼろしだったか
湯気はのぼる
いまこの時
死をむかえる者も
宙をつかむか

どこかで風が 鳴っている
果して、そうか
落下する雨の重さ
雨だれが 呼ぶ
うちにひそみ

解き放てよ
この浴槽にみちている水の歴史を
しずかに聴く
永き日の夕刻
雨上りに

そなえつけの鏡に私はいない
浴室を出てふとおもいおこす
生あるものすべていずれ死ぬ
人を身につける
おかしいね

何も
かわらない
時はすぎゆくのみ
この役割を
果たすまで。
そらはあをすぎる








自由詩 あをいそらのもと Copyright こしごえ 2010-04-01 07:15:06
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