雨
蒲生万寿
雨よ
もし私が倒れたならば
私の上に降りしきってくれるか
花を咲かし
木を育て
生命を司る雨よ
お前の一粒一粒が尊く
その、あたたかき粒を
私にも与えてくれるか
私は肉を地に返し
心を天へ昇らそうとしている
雨よ
慈しみ給え
きれいに
返すべき処へと返し給え
我を御身に委ね給う
雨よ
もし私が倒れたならば
私を包むが如く降りしきってくれるか
雨よ
お前の止むとき雲は切れ
その間より光は射し出で
私はお前と共に導かれ行く
お前に包まれたまま
西へと沈み行こう
日の本へと去り行こう
自由詩
雨
Copyright
蒲生万寿
2010-03-31 11:12:49
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