春風
砂木

かえろうよ
そう言って風は積雪の氷をはがし
小さな白い頬を撫でた

一瓶の底に這う旅
握りしめる緑の葉づれ
きこえて 忘れて

かえれないよ
そう言って風は積雪の氷を埋めて
小さな白い頬を撫でた


自由詩 春風 Copyright 砂木 2010-03-29 22:12:16
notebook Home 戻る