松戸くんと呪い
桐谷隼斗

「ふきのとうがコンクリートから顔を覗かせて
いるからもう春だと思います」
と、松戸くんが言いました。

私は松戸くんが嫌いなので、松戸くんの筆箱に
給食で出たししゃもを二匹入れてあげました。

「先生僕の筆箱にししゃもが入っていました。
ししゃもが可哀想です。こういうことをする人
はししゃもに呪われます」
松戸くんが言いました。

目覚めると
暗闇にいた
急に光が
射し込んだ
目 目
体が動かない
私は
手に
松戸くんの
手に
掴まれていた

「僕、知ってるよ。君だよね、筆箱にししゃも入れたの」
松戸くんが、ししゃもに言いました






自由詩 松戸くんと呪い Copyright 桐谷隼斗 2010-03-29 01:13:49
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